HSPなんだけどこんなに繊細で結婚なんてできるのかな?
と、心配なHSPさんはたくさんいるんじゃないかなと思います。
恋愛どころか普通の人付き合いでも疲れ果てるのに無理なんじゃない!?と思ってしまいますよね。
私も繊細で感受性の強いHSP。
結婚する前は相手は絶対HSPの人じゃなきゃ無理だ!と思っていました。
だけどなぜかよりにもよって鈍感な夫と結婚生活を送っているんですよね…
繊細なHSPと鈍感な人が結婚するとどのようなことが起き、どのようなことに気を付けて生活していたのかをお話ししようと思います。
私と夫の違い
HSPさんはみんな繊細ですが、私の五感は繊細を超えて過敏でした。
それに加えて、線維筋痛症などの病気も患っていたのでHSPの過敏性に拍車がかかっていました。
どんなふうに過敏だったのかというと、
- 視覚:強い光、特に人工的な光が苦手で家の中でサンバイザー着用。サングラスをかけることも。
- 聴覚:大きな音が苦手なのは当然で小さな音も気になる。耳栓がないと眠れなくて日中も着用することあり。「今の聞こえたの⁉」とよく驚かれる。耳が聞こえすぎる。
- 嗅覚:強い匂いはどんなものでも頭痛に直結。柔軟剤や香水のキツイ匂い辛い。
- 味覚:刺激物や味の濃いものに耐性がない。カフェイン、アルコール、香辛料、炭酸など。世の中のものは味が濃すぎる…
- 触覚:服がチクチクして痒みや痛みが起こることが多いので生地にはこだわっている。肌も弱いので化粧水やメイク用品などは敏感肌用。
こんな感じでした。
特に目と耳はかなり過敏で体調に応じてさらに酷くなる。
それ自体も辛いけど、なかなか理解してもらえないことがさらに精神的に追い込まれるね。
対して夫はかなりタフ!
仕事中も体を使うことも多いのに週に1日しか休みがなくても全然平気だし、その貴重な休みの日も遠出します。
週に1日しか休みがないなんて私には無理!物理的に!
食欲も旺盛でものすごい食べます。だから体力もあるのでしょう。
初めて家で食事をしたとき、ご飯茶碗がどんぶりで山盛りだったことにビックリしました。
声も物音も大きく、私が喋ると「え、なに?」とよく聞き返されます。
自分の気持ちにも他人の気持ちにも疎く、ニュアンスではまず伝わりません。
肌も強いし匂いにも鈍感。
部屋の明かりもスマホの明かりもかなり明るい。
まぶしすぎる!目が痛い!
私からするとありえないことだらけでした…
交際中
私と夫の出会いはマッチングアプリ。
当時はコロナ流行真っ最中で人と会う機会も激減していた時でした。
交際を始めた頃はまだ相手のことがよくわかってなかったし、向こうも私に合わせてくれていたので特に気になりませんでした。
ただ、実は喫煙者であることをカミングアウトされたときはかなりショックでした。
普通に吸い始めてビックリしました。
今までのデートの時吸ってなかったのに⁉
どうやら喫煙者だとバレるとイメージが悪くなると思っていた様子。
私はタバコの匂いが苦手でなのでマッチングアプリでは喫煙やギャンブルをしない人を探していたし、煙の少ないアイコスだからと言われても普通に臭くて頭が痛くなりそうでした。
タバコがきっかけで、もしや子供がいるんじゃないか、もしや養育費を払っているのではないかとまで疑い始めてネガティブが暴走してました。
あとで聞いてみたのですが他に隠し事はなかったです。安心した…
「タバコ嫌いだけどもういいや…」と放置していたら、付き合ってから4か月くらいの時に突然禁煙しました。
「節約にもなるし、タバコ嫌いやろ?」と言ってくれてとてもうれしかったです。
将来体も心配ですしね。
タバコやめて!なんでやめないの⁉と詰め寄っていたらもしかしたら禁煙したくなくなってたかもしれないなと感じました。
人間は自分で必要性を感じないと、人からいくら言われても変わらないですもんね。
HSP的に見て他に気になったのは、車に乗っているときの音楽や車内のエアコンの温度。
音楽はジャンルによってはかなりストレスになるし、それに加えて音量が大きすぎる。
付き合いたてのときは「こう思われるかな?ああ思われるかな?」と考えてしまい音量下げてとか寒いなんて言えませんでした。
考えすぎて「そんなに寒くないかもしれない、気のせいかもしれない。音楽も気にならないかもしれない」などと混乱した思考をしていました笑
今では勝手に音量も下げるしエアコンの温度もこっそり上げます。
このころは今よりもまだ体調が悪く不安定で、体力も全然ありませんでした。
でもおかしいと思われたくなくて大丈夫なふりをして、休憩したくても言い出すことができませんでした。
HSPは刺激が多いとめちゃくちゃ疲れてしまうのですが、タフな夫には私のような体質の人が存在していると想像すらできなかったと思います。
胃腸障害のあった私は食べられないものが多く、食事量も健康体の人の4分の1くらいしかなかったので食事に関しては毎回のデートの大きな不安要素でした。
説明しても理解してもらえないし「大丈夫だよ、食べれるよ」と言われ続けていると「いや大丈夫じゃねえよ!私の何がわかるんだよ!」と怒りすら湧いていました。
いつも自分が食べたいもののある店にばかり行こうとするからイラついたな。
たまにはこっちのことも考慮してよ!って。
もっと強く主張すればよかったんですが、なんせ人と付き合うのが初めてだし元々主張するのが苦手で合わせてばかりいる性格だったので上手くできませんでしたね。
同棲中
同棲を提案された時はかなり悩みました!
でも、結論から言えば同棲してよかったです。
結婚前に同棲したほうがいいかどうかで意見が分かれますが、私は断然したほうがいいと思っています。
一緒に暮らさないとわからないことだらけでしたし、HSPの繊細さとどううまく付き合うのかを学べました。
とはいえ当然不安はなかったわけではありません。
結婚ではないのだからうまくいかなければ実家に戻らせてもらえばいいのですが、なんせ考えすぎる性格のためいろいろなことを考えて不安だらけでした…
不安要素1:自分の部屋がない
私を含め、HSPの人は一人になれる時間と空間がとても大切ですよね。
ですがマンションは1LDKでリビングのほかに洋室が一つだけ。
その部屋は夫のベッドやタンスがあるのでそもそも私が使うことができませんでした。
自分の部屋として使えなくても、一人になりたい発作(笑)が出た時の避難場所として使えないこともないです。
でも引き戸なのでぴったり閉まらずにたまに隙間が開いているしガラス戸で中が見えるんですよね。
外から見えちゃうとと安心できないし、音もダダ洩れ。
私はよく一人になりたい発作が出ますが、ストレスの多いときや体調の悪いときなんかはさらに増えます。
寂しがり屋の夫には全く理解できないようでした。
そしてこれは自分でも驚きなのですが、一人の空間のない暮らしにだんだんと慣れてきました。
でも本当に一人になりたいときは洋室にこもるようにしていました。
これだけでもだいぶ違います。
でもなんとかなった一番の理由は、夫がいない間に十分な一人時間を確保できたからだと思います。
実家にいたときよりもむしろ開放感がありました。
夫は私が一人で寂しがらないかと心配してくれていましたが、その逆でめちゃくちゃ楽しんでいました。一人サイコー!
不安要素2:睡眠
私は病気で元々睡眠が浅く頻繁に目が覚めたり痛みで眠れなかったりします。
そして睡眠の質は体調にもダイレクトに影響が出ます。
夫は一緒のベッドで寝たがったのですが、私の体調のことを丁寧に説明して別に寝ることをお願いしました。
同棲前のお泊りの時は一緒に寝ていました。
でも1回目から「これ無理だわ。全然寝れない」と気づき、一緒のベッドで寝ることは断固拒否しようと心に決めました。
耳栓とアイマスク着用しても夫の歯ぎしりといびきと寝言。
寝返りを打ちまくるのでその振動で起こされるし、腕が顔に当たって痛い思いをしたこともありました。セミダブル狭い!
夫と良いコミュニケーションを取り続けるためにも睡眠を優先させてもらいました。
寂しがっていた夫を見るのは辛かったですが、本っ当に眠れなくて頭痛や体の痛みに苛まれるのは辛すぎました…
不安要素3:食事内容の違い
これは胃腸障害のある私だからこその悩みかもしれません。
夫とは食事量も食べられるものも食事のタイミングも違いました。
私は一度にたくさん食べられないので分食してたので一日3食ではありませんでした。
食べられるときは食べ、食べられないときはスイーツで済ませることも多かったです。
こんな風に私の食事が特殊なので「食事のリズムが崩れたらどうしよう、一度崩れたら元に戻すのが大変なのに…」ととても不安でした。
これについても意外となんとかなりました。
というのも夫と一緒に食事をするのは基本的に夜のみなんです。
なのでそれ以外は自由に食事を調整できるし、食べられないときは食べられないとしっかりと主張するようにしていました。
すると夫もだんだんと理解してくれるようになりました。
人にもよるとは思いますが、言い続ければいつか分かってくれる時が来るんですね。
相手も慣れただけかもしれませんが、慣れてもらえるのはありがたいことです。
不安要素4:経済的な問題
病気のため長い間仕事をしていなかったので、当然お金もあまりありませんでした。
必要なものは障害者年金でなんとかまかなっていました。
夫は経済的に問題はありませんでしたが、十分に豊かかと言われるとそうではありません。
私は重荷になってしまうのではないか、そろそろ働けよと責められるのではないかとすごく不安でした。
10代のころにうつ病を発症し、卒業してからも仕事が続かなかった私はお金に対する不安がとても強くありました。
実際、経済的なことに関しては衝突したり話し合うことは何度かありました。
でもそうやってお金や仕事に対する不安を正直に話せたのは本当によかったと思います。
相手に理解してもらえるかどうかは別として、伝える努力をしたりカッコつけずにありのままの気持ちを話す勇気は人生の糧となりました。
「好き」だけでは何とかならない経済的な面。
でも好きだからこそなんとか一緒に越えようと思えますね。
私の生活費の負担はかなり少なくしてもらっていました。感謝です♪
結婚してから
同棲していたし家もそのままだったので生活自体は特に何も変わりません。
でもやっぱり結婚するかどうかはかなり悩みました。
この人でいいのだろうか?私は自由を失ってしまうのではないか?
結婚という契約を交わしてしまったら最後、私は永遠にこの人と妻という立場に縛られてしまうのではないか?
それだけじゃない、相手の親族もついてくるんだぜ?
今、究極の選択を迫られている…
考えるだけで窒息しそう。
もうずっとこんな感じでした。
でもこの人と別れる可能性を考えた時に寂しくなり、やっと「あ、私この人のこと好きなんだ」と気づきました。
恋愛感情に疎いもんだから気づくの遅かったです。
私はきっとこの人から離れられないんだなと感じました。
結婚決意後もそりゃもうストレスすごかったし言い合いをすることもありましたが、とにかく話し合いながら進んでいきました。
みんなもっと幸せいっぱ~いって感じなのかもしれませんが、私はもともとあまり恋愛に興味もないし結婚に憧れがなかったのでとにかく疲れました笑
ちなみに結婚式はしていません。
お金もかかるし人前が苦手すぎて嫌なことしか思いつかなかった。
でもいつかドレスを着た写真くらいは残してもいいかな。
一緒に暮らせている理由は…
どうして過敏な私と鈍感な夫が暮らせているか。
結論から言うと、
夫が 私の体調や繊細さに必要以上に気を遣わない からです。
え⁉ふつう逆じゃない⁉
自分の繊細さを無視されたら疲れるし身が持たないんじゃ⁉
と思われるかもしれません。
実際私もそう思っていたので、パートナーは私と同じように繊細な人がいいとずっと思っていました。
でももし夫がめちゃくちゃ気遣いができて私の繊細さにいつも気を配ってくれるような人だったなら、私は「自分は繊細で、そのことに気を付けなくてはいけないんだ」と強く潜在意識に刷り込み続けていったと思います。
そうなるとどんどん繊細さに磨きがかかっていき、できないことや苦手なことが増えていきます。
以前の私がそうであったように。
実家の家族は私の一番ひどい状態の時を知っているので、いつも私に配慮してくれていました。
その環境に居続けていたら、私が何年もかけて深く深く刻み込んできた強固な思い込みを外すことは非常に困難だったと思います。
必要以上にこっちのことを気にしない夫によって私は潜在意識を変えることができました。
最初は確かに「なんでもっと気遣ってくれないのかな?私のことを大事に思ってくれてないのだろうか…」と不安になっていました。THE・繊細ですね。
でも一緒に暮らして話をするうちに、夫は夫なりに気遣ってくれていたのだと誤解に気づけるようになっていきました。
ただ優しさの現し方が違うだけ。何をうれしいと感じるかが違うだけ。
私は弱い力でも痛みを感じやすいので何かの拍子に手を掴まれたときなど「痛い!なんでそんなに強く掴むの!」と怒ることが良くあったのですが、何度言っても夫は力加減ができないようでした。
でも「この人、男子小学生が同じ男子とじゃれて遊んでいるような感覚なんだ…」と気づいてからなんだか可笑しくなって悶々とすることはなくなりました。
それでも嫌なことは嫌だとハッキリ言いますけどね!
ハッキリ言わないとマジで伝わらないので。
でも、やってみたけどやっぱり無理!ということはありますよね。
私であれば部屋の明かり。
「何それ?変だよ」と言われてもまぶしく感じたらサンバイザーをかぶるし、同じリビングにいてもイヤホンつけるし、私の部屋にいるときは〇〇はやめてとハッキリ伝えてます。
相手の反応を気にせず、自分を守るための行動をとることも大切です。
HSPだと相手の反応を気にしてしまうことも多いと思いますが、自分で自分を守る勇気と覚悟が必要だなと感じています。
そしてこれはHSPに限らずかなり重要だと思うのは、とにかく話すこと!
他愛もない話ももちろんなんだけど、一番大事なのは『お互い何を感じているか』という深い部分の話。
表面的な楽しい話もいいけど、思いについて語ることがものすごく大事だと思っています。
話さないとわからないのはHSPでも同じ。
HSPではない人より察するのはうまいしそれも当たっていることも多いと思います。
でも相手の思いのすべてを把握していることなんてないと思います。
全く別の人間であり、個性も感覚も違う。
深い話をするのは苦手な人も多いし、話そうとしたら相手が逃げる人や怒る人もいます。
私も苦手でしたし、夫も自分の気持ちを把握して言葉にするのが苦手なタイプでした。
でもあきらめませんでした。
自分をあきらめたくなかったからです。
私は自分で自分をかわいそうだと思えるような状況には持っていきたくないし、心地よく毎日を過ごしたい。
そのためには話す必要があると思えるときは覚悟を決めて話していましたし、夫の言いたいことも根気よく引き出してあげていました。
自分のことを伝えて、相手にも伝えてもらう。
そのあとは必ず以前よりも絆が深まっていました。
こういう話は体力も消耗するのでいつもいつも頻繁に語り合う必要はないと思いますが、人生で壁にぶつからないときなんてないですよね。
そんな壁こそが話し合いの良い機会となってくれます。
話せば話すほど、人に思いを伝えることに抵抗がなくなっていく。
思いを伝えるのって怖くないんだと自分に理解させてあげることが大切だね。
私の体調面で、夫の気にしない性格のおかげで劇的に変わったこともありました。
それは食事です。
私の一番の悩みだったといっても過言ではない胃腸障害に関してです。
例えば肉は消化に負担がかかって胃もたれしやすく便秘にもなるので苦手だったのですが、夫から「大丈夫だよ」と言われると不思議と「大丈夫かも?」と思えて挑戦することができたんです。
そして実際に大丈夫なんですよね。
本当に不思議でした。
でも辛い物や刺激の強い物は今でも食べれませんし、これは夫も勧めてきません。
胃腸障害に関してはかなり改善されたのでとてもうれしいです。
まとめ
以上、超過敏なHSPである私と鈍感な夫との結婚生活のお話しでした。
私が思うHSPさんが結婚生活で大事にしてほしいことは
- HSPだということを意識しすぎないこと
- 自分のことを伝え続けること
- とにかく話し合うこと
- 相手の反応を気にせず自分を守るための行動をすること
です。
感覚が違っても大丈夫!
人間には『話す・伝える』という手段があります。
たとえ感覚が似ていたとしても、これがなければうまくいかないんじゃないかなと思います。
感覚の違う相手に伝えるトレーニングをたくさんさせてもらえて本当によかったと思っています♪
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